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メモ程度のことを気が向いたときに

過去作掘り出し③ エリート

お前の右足はもう腐ってるからな、切り落とさなきゃいけないんだ。
ほら、蛆もわいてるだろう。
痛いだろうけど我慢しろ。
切り落としたらこの鉄棒で切断面を焼くからな。
それも痛いだろうけど我慢しろ。
ほら、この手ぬぐいを口に咥えろ。
じゃあいくぞ。
 
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こんな時に子供なんて作ってどうすんだ!
バカ野郎!産むなんて言うんじゃねえ!
お前が今どんな状態なのか知ってて言ってんのか!
堕胎するぞ、良いな。子供を堕ろすんだ。
明日だ、明日堕ろすからな。
今日は子供と一緒に寝てやれ。
もし逃げたら引きずりまわしてでも連れ戻すからな、覚悟しとけよ。
 
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俺はな、この手で人の命運を左右してるんだ。
俺は正しいのか?
俺にそんな権限はあるのか?
 
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今なんて言った?
このクソ野郎が!
死ぬならお前の墓に花を添えてくれる人間を見つけてから死にやがれ!
俺は絶対に花なんか添えねーからな!
甘ったれてんじゃねえこのクソったれが!
絶対に死なせねーぞ!何度でも生き返らせてやる!
 
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そうかそうか、そんなに苦しいか。
俺が来るまでよく耐えたな。
それだけ苦しけりゃ思い残すこともすぐには浮かんでこないだろ。
安らかになってから思い出せよ。
お前は確かに生きていた。
俺は忘れないからな。
じゃあな。
 
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俺が行き着く先はどこだ?
俺は一体なんなんだ?
俺は、神か?
 
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赤い手をしたエリートは、浜辺でひっそりとみすぼらしく死んでいました。
エリートのお墓にはたくさんの花が添えられています。